まよいみち くねくね

還暦過ぎ♂の中年の主張 

爆音と耳が聞こえない話

 年寄りと同居していると、静かな生活空間で過ごすのがなかなか難しい。というのもこの数年でかなり耳が遠くなり、普通の会話も、互いが声を張り上げないとなかなか通じない。そしてテレビの音は終始爆音状態。このせいなのか、それとも自分も加齢のせいなのか、このところ、とみに耳の聞こえにくさを感じる。例えば電話の声。マスク越しのせいかもしれないが、とても聞き取りにくさを感じる。仕事の電話は、特に最初がいけない。最初に名乗る相手の所属や名前が、なかなか聞き取れないで、繰返し尋ねてしまう。そして、テレビの洋画の吹き替えの声。不思議と普通のニュースやドラマの番組ではあまり感じることはないのに、洋画の吹き替えは大抵聞こえにくく感じる。音量を大きくすると、会話以外の効果音やBGMは爆音となってしまうので、大概は字幕版で視聴することになってしまう。やっぱり自分も耳が遠くなったかなあ。

 今まで耳が不自由になったことはなかったが、1年前に、耳のありがたみを痛感するちょっとした事件があった。というのは、風呂上がりに、綿棒で両耳の掃除をしたところ、不意に両耳が聞こえない状態になってしまった。次の日に急ぎ耳鼻科を受診したところ、耳垢で耳栓をしたような状態になっているとのこと。つまり耳掃除の際に、綿棒で耳垢を奥に押し込んでしまったのだ。この状況を耳垢栓塞というらしい。なんとも情けない。すぐにでも取ってもらえると思ったのだが、両方とも固くて無理にとると外耳を傷めてしまうので、今日はできないという。固い耳垢を柔らかくする液(耳垢水点耳薬)を受診日の前夜と当日朝耳に入れ、それから除去することになるとのこと。そのため、丸二日間耳が聞こえない状態が続いたのだが、耳が聞こえないというのは、想像以上に何ともイヤなものだ。とても心地が悪く、終始吐き気を催しているような感じを初めて味わった。耳は大事です。侮ることなかれ。